全ての自動車と大半のオートバイが油圧ブレーキを採用していますが、車輌の高性能化(高速化)に伴い、ブレーキの役割は益々過酷なものとなっています。 現在のブレーキは運動エネルギーを熱エネルギーに変換するものですから、システム全体が大変熱くなります。その熱によってベーパーロックを起こさないブレーキフルードが求められます。 ブレーキフルードに求められる性質 : 1)高い沸点を持ち長時間使用しても、ベーパーロックを起こさないこと。 2)吸湿性が少なく、使用中の沸点降下が少ないこと。 3)温度による粘度変化が少ないこと。 4)化学的に安定していること。 5)金属の発錆、腐食を起こさないこと。 6)ゴム部分に膨潤、軟化、硬化等の悪影響を与えないこと。
T沸点(ドライ沸点)とウェット沸点があ るのは、水分を吸収すると沸点が下がってしまうので、DOT規格では、その両方の沸点を定めています。 (ウェット沸点は、3%の水分を含んだ状態での沸点です。)
ブレーキフルードには以下の3種類のベースオイルがあ ります。
ミネラルベース/シトロエンのLHM(ブレーキ/ハイドロサスペンション用) シリコンベース/旧英国車、ハーレーダビッドソン、一部レース用 グリコールベース/上記以外のほとんど全てのブレーキフルード(含むMOTUL製品)