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MOTUL:
話はかわりますが、これまでずっとインライン4でやって来られた森脇さんが、2気筒のVTRをお選びになった理由は?
森脇:
やったことがないエンジンだったというのがまず第一。1000ccという大排気量だったということと、ドカッティが世界であれだけ速く走っている。あれもVツインで同じような構造をしている。構造的には少し違うんですけども、なぜ速いのかも知りたかったし、トルクの発生の仕方、今後起こるであろう大排気量化したときに個々の部品に対する負担のかかり具合がインライン4とは全然違うんで、その辺のことも勉強したいということが、まず、技術的にはあったんですね。
3年ぐらい前ですかね。ホンダさんの方は「これはレース用のオートバイではないんで、レースに使ったらだめですよ。」という話はもらっていたんですけども、私がレースに使わなくても、恐らくこれを市販するということは世界中で草レースは行われるだろうし、利用する人はたくさんいるでしょう。だから、必ずそのとき何かのトラブルは出てくるでしょう。そのときに、我々も商売でいろいろやってますから、トラブルに対してどうケアしていくのかということを知らなきゃだめだと思ったんです。そのためにはレースをやって実際に悪いところがあ
ったら先に出してしまおう。そしてトラブったら、じゃあ どう対策すればいいか?ということまで勉強ができるということで、やり始めたわけです。
そのときに問題が一番早く出たのが、先ほどから話しがでているカムの下にあ
るリフターという部品なんですけどね、そのあ たりから最初来たんですね。そこが一番負荷のかかるところなんですよ。カムシャフトが直接頭を擦っていって、それを下の穴の中でバケットが摺
動するという部分になっていますから、一番激しく運動するところなんですよね。バルブと同じように動きますから。そこは精度を上げト作っても、入れるオイルがきっちりそこにへばりついていて直接肌に当たらないように工夫してやらなければ、どんないいものを作ってもだめなんです。
MOTUL:実際のところ、オイルに気を使かわなかった場合にはどうなるんでしょうか。
森脇:
シリンダーヘッドの方のリフターが入っている穴が、真円なんですけど、その穴が変形してきますね確実に。カムシャフトがリフトしたり下がったりするときにバケットが前後に倒れるんです。倒れながら上下するんですよ。ですから、横方向はいいんですけども、前後方向に減ってきて、楕円形になったりがたがたになってしまうんですね。それが周期が合ってくると、ちょうど新鮮組の袴の模様のようになっちゃうんです。
特に我々がレースで使っているやつはカムのハイリフトのものを使ってぎりぎりの線まで持っていってますから、特にオイルが粗悪なものだと一発で出るんですよ。今、一般市販しているエンジンのカムとかピストンについては、リフトが少し低い分だけ力の部分が少ないですから、ライフはもちろん長いんですけどね。でも今、ステージ3というVTRの限界ともいえるチューニングキットを出していることもあ
って、一般のお客様にも「モチュールの300Vをお使いください。」とお願いしているんです。他にもいいオイルがあ
るかもわからないし、スペシャルのものもあ るかもわからないですけど、我々が見渡した限り、モチュールのオイルは極めて品質レベルが高いと感じています。
MOTUL: 99年度は日本から世界の方での活動にウエイトを置く予定とのお話しをお聞きしましたが、その辺についてもうすこし詳しくお聞かせいただけますか。
森脇:
そうですね、今年はまずスタートとして2月末のデイトナのSS600というクラスに参戦します。ホンダの新しいCBR600F4という車なんですけどね、その車でエントリーすることにしています。
MOTUL:
マルチ復活ということになるわけですが、VTRの2気筒エンジンとの形式の違いがオイルにはどう影響するのでしょうか?
森脇:
SS600のクラスというのはもともと量産のエンジンをベースに、あ
まり費用をかけないでイコールコンディションでレースをやりましょうというレギュレーションですから、オイルの差がどう現れるのかは未知数でした。ところが実際、このSS600というバイクは600ccであ
りながら400ccに匹敵するぐらいエンジンの回転数が上がるんですよ。リッター当たりの出力が200馬力ぐらい出ているんですよね。600ccであ
りながら120馬力ぐらい発生するというようなエンジンに進化していますから、ここでもフリクションロスが、出力に大きく影響することが明解でした。だから、いかにフリクションロスが少なくて耐久性のあ
るオイルを使用するかが、イコールコンディションならではのレースにはかなり影響するんです。
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