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MOTUL: パワーハウスにいらっしゃるお客さんは、モーターサイクルに関してかなりレベルの高い方々が多いですよね。
中野:
そうですね。大体うちのお客さんというのはあ る程度知ってる方が多いんですが、中には知らない方もたまにいらっしゃいますよ。悩んで悩んで悩みきって、どこのショップに行ってもいっこうにラチがあ かない方なんかも来るわけです。
何かの事情でエンジンを開ける場合、僕はタイヤとかブレーキの使い方を見るとその人間の性格とか普段の管理の状態までわかるんですが、まあ それはこっちに置いといて、単に走行距離から考えて、中のバルブの磨耗具合、ステムの磨耗具合とか、ステムシール、油脂類の劣化度合いなんかを見るんですよ。
ドゥカッティに関しては、'80年代の後半ぐらいまでのモデルはパッキン類の性能がイマイチで、鉱物系のオイルには問題なかったんですが、化学合成油に対して好ましくない反応を示したんです。
例えばステムシールが、あるメーカーの半合成油を入れると、膨潤するんですよ、キクラゲのように。そこでシール効果が低下してオイルが下がってきちゃう。ドゥカッティのバルブは材質がタングステンっていう固い材質で、バルブガイドがエキゾーストは燐青銅なんですが、インテイクに関してはまだ鋳鉄なんですよ。だから固いものと固いものが摺 れ合えば、当然そこに磨耗が起きる。磨耗が起きるってことは潤滑が必要なわけだから、シールが全くプアになったら当然オイルは下がりますよね。
このエンジンにモチュールを入れたら、オイルの消耗がすごく多くなった。それはどういうことかと言うと、以前に入れた半合成油のためにステムシールがキクラゲ状態になって、モチュールは粒子が細かいからもともと減ってるガイドに入り込んで、どんどんオイル下がりしたわけです。

MOTUL: ステムシールを替えないで、オイルだけモチュールにしたんですね。
中野: そうなんです。今のドゥカッティは遅まきながら膨潤しない材質を使うようになってきたんですけどね。そうなってきたら、やっぱりいいオイルってのは俄然メリットが出てくるんです。
日本のメーカーじゃ考えられないかもしれないけど、今最先端いってる996のSPS、300万以上するバイクでさえ、クランクウエブの掻き上げたオイルをピストンの裏 側に引っかけて、オイルの皮膜強度だけでスモールエンドを潤滑してるんです。冷却に関しても同じです。要するに、そういうエンジンの場合は、高性能なオイルを使えば使うほど、違いが出るんです。
あっ、オイルってこんな違うんだって感じましたね。もともと、ただ入れてりゃいいとは思ってませんが、オイルの性能っていうのは、エンジン開けるとこんな違いがあ るんだなと。それから早十数年たって、設計からマテリアルから全部が進化した状態になったときに、当然オイルもそれに合わせて進化してるわけですよ。逆に言うと、今買われてるユーザーの方たちっていうのは、オイルがいいとか悪いとかっていう判断がすごくつきにくいわけです。どうすれば分かるかと言ったら、エンジン開けたときにしかわからない。
今、いわゆる化学合成ってうたってるオイルメーカーがいくつかあ りますが、原油から精製してデベロップを重ねながらやってるメーカーっていうと少ないわけですよ。
そんな中で、モチュールがやっぱり先端を行ってるというのは、お世辞抜きに事実なんですよ。

中野: 面白い話があるんですよ。たまたまある個人タクシーに乗った時に、すごく車の中きれいにしてあって、恐らくLPガスじゃないなって感じたんですよ。それで、話しかけてみたんです。


中野:「これ、ガソリンエンジンですか?」
タクシー運転手: 「そうだよ、ガソリンだよ」

中野: 「随分調子いいですね」
タクシー運転手: 「まあね、経費かかるけど、スタンド24時間やってるところが多いからLPよりもガソリン使ってるんだよ」

中野:「そうですか」
タクシー運転手:「俺たちが一番乗ってて神経使うのは別のところにあ るんだよ」

MOTUL: ちゃんとクルマが好きな運転手さんなんでしょうね。
中野: そうそう。好きだし、逆に言えば仕事だから無駄な経費はかけたくないっていう意識がきちんとあるんですよ。タイヤなんかでも業務用の安いタイヤつけないで、ある程度距離持って回転性のいいタイヤを選んでるらしいんですよ。室内もすごくきれいにしてある。要するに、タクシーっていう仕事に対して自信と誇りを持って好きな人がやってる。そういう人なんですよ。その運転手さんが僕にこう言うんですよ。
「仲間にはベンツで回ってるのもいれば、キャディラックで回ってるのもいるけど、俺は皆に勧めてるんだよ、タイヤとオイルだけはいいの使った方がいいよって。磨耗しちゃうから安いのを数多く替えるんじゃなくて、磨耗しちゃうし劣化しちゃうから、だからいいもの使いなさいって。お客さん知ってます?、オイルもいろいろあ るんだよ。鉱物系から化学合成まで」
あなた、一体誰にもの言ってるんだよ…とは言わずに「そうなんですか」っていかにも感心して聞いてたら、自慢そうに言うわけ。「お客さん、モチュールって知ってる?。フランスのオイル専門メーカーなんだよ」
って言うのね。

タクシー運転手:
「確かに多少値段は高いけどね。俺はその中で一番いいオイル入れてるんだ。何かレース用のオイルらしいんだよな。雑誌で見たんだけど、広告見たらすごくおしゃれに書いてあ って、いかにも性能良さそうに書いてあ るんだ。専門用語は俺にはちょっとわからんけども、とりあ えずいいオイルなんだろうと思って入れてるんだよ。いろんなオイルもあ るし、高いのあるんだけど、モチュールっての入れたんだよな。そしたらこれが性能いいんだ」。

中野: 「最近入れたんですか」
タクシー運転手: 「いや、もう入れて10万キロぐらい走ったかな」

中野: 「どのくらいのサイクルで変えてるんですか」
タクシー運転手:「大体3000キロから5000キロで替えちゃってるかな。多くても5000キロかな」
中野: 「そんなんで、経費が上がっちゃうでしょ」
タクシー運転手:「いや、ところがエンジンの異音や振動が出ないってことは金属が減ってないってことでしょ。減ってバランスが崩れるといろいろなところで振動が出てくるし、それはエンジンのラバーマウントとか他の部分にも影響してくるんですよ。このオイルを入れてから、オイル代は高いけどエンジンの具合良いんで、今回は余計に走れると思うよ。10万キロ、20万キロの差っていうのは車を代替えするときに減価償却に値するからでかいんだよ。増してやこれだけ不景気になってきてるからね。エンジンに関してはいつも調子いいって言われるんだよ。だからモチュールをずっと使ってるんだ。お客さんも何に乗ってるか知らないけど、騙されたと思って1回使ってみたらいいよ」

 

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